Isidora’s Page
建築日誌
■東京文化会館■    2005年01月28日

いいタイミングで前川國男が話題になったので、これをUPします。
今となっては、上野公園の顔と言ってもいいでしょう。上野公園に行くと、否応なく視線に飛び込んでくる。天才的作品である。向かいのコルビュジェ先生の「国立西洋美術館」よりも存在感がある。ああ、ステキだ!

昭和36年竣工。SRC構造。地下2F、地上5F建て。反り上がったコンクリート打放しの庇が、あまりにも前川國男の特徴を現している。
コンクリート打放しと言えば、今では安藤忠男をすぐさま思い起こすことであろう。いやいや、それよりもずっとずっと前に、前川先生はやっていたのです。もちろん、コル大先生の物真似ですけれども。……

この反り上がった庇は、この他にも見たことはありませんか?
そう、新宿の「紀伊国屋書店」である。こちらは昭和39年竣工。前川先生、バリバリの頃の作品である。
前川先生の打放しコンクリートは、世間に見られるような安っぽい打放しではない。(ちょっと原稿を手直しした・笑)型枠に杉板を使い、木目や継ぎ目をコンクリートに転写するといった、いわば、彫刻的打放しである。しかも、存分に曲線を描いている。かなわない。真似できない。いや、真似したとしても失敗する。
外壁部分は、大理石打込みPC。(写真には写っておりません)

上野公園で一番好きな建物はどれか? と言うアンケートがあれば、間違いなく10本の指には入る名作である。(だって、目立った建物は10本もないから)
小生の青春を代表する建築である。って、小生の作品でもないのに。(笑)


東京文化会館 
東京文化会館・外観1
東京文化会館 
外観2
東京文化会館
 外観3