Isidora’s Page
建築日誌
■世田谷区民会館+区役所■    2005年02月02日

前川國男の話題が続いたので、もうひとつ。
「世田谷区民会館」昭和34年竣工。RC折版構造。後に区役所と一体化。

めずらしく、地元の仕事が入った。それで、嫌いな役所廻りをしてきた。
役所廻りとは、役人に頭を下げて「これこれこういう者ですが、よろしくお願いいたします。」と挨拶をしに行く、のではない。(笑)
事前協議といって、具体的な設計に取り掛かる前に、計画地域や、容積率、建蔽率、日影、道路などといった、法関係の協議に行くのである。決して、頭を低くする必要はないのだが、実際は「よろしくおねがいします」で帰ってくる。
それで世田谷区役所へと出かけた。

この建物は「東京文化会館」の2年前の竣工である。コンクリート打放しである。見事なRC折版構造である。
この外壁のでこぼこは、内部にまで表れていてホールの音響効果を高めている。と、当時は言われたようだが、今では定かではない。しかし、この威圧感は、さすが、コルビュジェの弟子である。有無を言わせない。絶対的である!

区役所棟。
こちらは、RCのラーメン構造である。
デザインは失敗している。(笑)

前にも話したが、前川國男の打放しは、世間に見られるような安っぽいものではない。見てください。
芸術的である。汚れている。何度も補修されている。(笑)
打放しコンクリートは、多かれ少なかれ、このような憂き目を見る。でも、前川の打放しはステキだ!
コーン穴(右側の丸い模様)と、杉板の節目(左側の丸い穴模様)とのコラボレーション。ステキだ!


 
世田谷区民会館


区役所棟

 
前川國男の打放し