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建築日誌
■東京カテドラル聖マリア大聖堂★追悼丹下健三■  2005年03月29日

3月25日、丹下健三の葬儀が行われた。
千人を超える参列だったそうである。
場所は、椿山荘のすぐ向かいにある東京カテドラル。
自らが設計した教会堂である。

昭和39年(1964)竣工。代々木のオリンピックプールと同年である。
日本中が熱かった時代でもある。
このようなフォルムは、誰にでもそう易々と創造できるものではない。
丹下は神様みたいな存在であった。

丹下については、いくらでも書きたいことがある。
でも、今はその暇はない。
ひとつだけ、小生が初めて東京へ来たとき(高校の修学旅行だったが)、自由時間を利用して見物したのが代々木のオリンピックプールだった。
これだけで修学旅行の目的は果たされた。
建築とはすごいものだと初めて実感した。
本当に「実感」したのである。

東京カテドラルは、8枚のHPシェルで構成されたシェル構造の建築物である。HPシェルとは、双曲放物面のシェルのこと。
柱・梁によらない貝殻のような面構造と言えば分かりやすいだろうか?
底面から向かい合ったペアのシェルが上部へ伸びていき、次第に絞られて、頂部では十字形のスリットが構成されたところで屋根面が終わっている。
うーん、やはり言葉で説明するのは難しい。……

宗教的な象徴性を、幾何学で表現した意欲作。
丹下建築の代表作であり、同時に現代建築の金字塔のひとつでもある。
心よりご冥福をお祈りいたします。

注:写真は3月27日に撮影。


東京カテドラル聖マリア大聖堂 
外観 1

東京カテドラル聖マリア大聖堂  
外観 2

東京カテドラル聖マリア大聖堂 
外観 3