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建築日誌
■浄真寺■    2005年06月01日

ここは京都ではない。
いや、鎌倉でもない。
れっきとした、世田谷区である。

世田谷区奥沢、浄真寺三仏堂。
元禄11年(1698)の建立とあるから、なかなかの古刹である。

見事な仁王門。
こんな立派な門が、世田谷にあるとはにわかには信じがたい。
三間一戸の楼門形式。楼門とは2階建ての門のことで、1階に屋根のないものを言う。
南禅寺の二重門とまではいかないが、世田谷では唯一の楼門のようだ。
ここ浄真寺は、九品仏(くほんぶつ)の名で親しまれている。
九体の阿弥陀如来像を、それぞれ三体ずつ、三つの仏堂に分散して収められたもの。とっても珍しい。
上品堂・中品堂・下品堂の三堂が並ぶ姿は、なんとも勇壮である。(じょうぼんどう、ちゅうぼんどう、げぼんどうと読む。くれぐれも「げひん」と発音してはいけません)

ビデオを見ると(郷土資料館で自由に見られる)「お面かぶり」といって、上品堂と本堂の間に36間もの木の橋が架けられ、そこを阿弥陀如来と二十五菩薩が本堂に向かって来迎するパフォーマンス、いや、儀式が見られる。
この儀式は3年ごとに行われるらしい。みんな菩薩様のお面をかぶっている。なんとも異様な雰囲気である。

本堂は比較的新しい建物のようである。
この日は、何か特別な催しごとがあったようだ。
お釈迦様を拝む、不動の老夫婦がいた。
ピクリとも動かない。
お顔を拝見しようと思ったが、いつまでも動かないので痺れを切らして帰ってきた。


浄真寺仁王門 
仁王門

中品堂外観  
中品堂外観

お釈迦様を拝む、不動の老夫婦 
お釈迦様を拝む、不動の老夫婦