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建築日誌
■高輪消防署■    2005年06月02日

品川から泉岳寺へ行こうと思って(今日ではありません)、迷いに迷った挙句、高輪消防署へたどり着いた。
これはいい。現役である。
「働く車」ならぬ「働く建物」
子供向けに、こんな歌が流行るかも知れない。

昭和8年(1933)竣工。
設計者は越智操。(警視庁の役人であるらしい)
施工は間組。RC造3F建て。

表現派である。アインシュタイン塔似である。(あんまり似てないか)
ベージュのモザイクタイルが、何とも火消しのイメージを髣髴とさせる。
角地を利用した、シンボリックな意匠性。(渋谷109の大先輩。ちなみに消防の電話は119)
軍艦式にも見える近未来的なレトロなデザイン。(当時はそうだったのよ)
一見、威圧的ではあるが、曲面を多用することで市民との距離が近づいている。(まあ、角が取れたということで)
公共建築にふさわしいデザインである。

昭和59年から60年にかけて、保存再利用が行われたという。
保存再利用といえば、博物館や展示ルーム、歴史資料館などと相場は決まっているが、消防署の機能をそのままを保存しようとする姿勢には全く敬服する。
最新の消防車も、ちゃんと納まっているようだし。……

ひとつだけ気になることがある。
頭頂部のシンボルタワーは、某芸大のお偉い先生が後から取り付けたということだ。
うーむ。どうも電線マンの頭のように見えて仕方ないのだが。(笑)


高輪消防署
交差点対面から見た外観

働く車とのツーショット
働く車とのツーショット

どちらかといえば裏側
どちらかといえば裏側