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建築日誌
■旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)■    2005年06月06日

昭和8年(1933)竣工。
RC造2F建て。

設計は宮内省内匠寮が行ったが、内装デザインをフランス人デザイナーのアンリ・ラパンが担当。また、かの有名なルネ・ラリックの作品で飾られていることから、奇跡のアール・デコなどと呼ばれている。
でも、外観はインター・ナショナル様式。
アール・デコの面影はほんの少ししか感じられない。

このアンリ・ラパンという人物は、実は余りよく知られていない。いや、小生がただ知らないだけであるかもしれないが。……(笑)
大正14年、パリのアール・デコ博の立役者であったともいう。
朝香宮鳩彦がそこを訪れて、帰朝後、彼に意匠設計を依頼した。手に余った彼は、いや失礼、意気揚々とした彼は、装飾品をラリックに依頼した。
なるほど、奇跡のアール・デコの出来上がりである。

外観の質素なイメージから、内観のデコレイティブな壮麗さは想像し難い。
でも、もともとアール・デコの特徴は、外観よりも内観に力を入れているケースが少なくない。
これは、その好例である。

実は、原美術館の前にここを訪れた。
美術館の梯子である。
アンソール展がやっていた。
アンソールは面白いけど、ここでは特に言及しない。

しかし、この建物はあまりにも有名なため、どうも小生は気に食わない。
騒ぎすぎなのである。
ヨン様のような扱いで、手放しでは喜べない。(いや、ヨン様って言ったってよく知らないのだけれども……)
これは、小生の病気である。偏狭な性格のためである。
でも、どうしようもない。

庭園には見どころが一杯あるし、とにかく一見の価値はある。

旧朝香宮邸(東京都庭園美術館) 
正面外観

庭園側外観
庭園側外観

バラの花が綺麗
バラの花が綺麗

狛犬(獅子)
狛犬(獅子)まさか、これもラリックのデザインではあるまい。

デコ調のシーリングライト
デコ調のシーリングライト

デコ調の換気口とスプリットブロック
デコ調の換気口とスプリットブロック
この写真を撮っていたら、怪しい目つきで睨まれました。