Isidora’s Page
建築日誌
■台湾閣■    2005年07月08日

先日、低反発敷布団を購入した。
衝動買いである。
カメラやパソコンなどを衝動的に購入することはあるが、リネン関連の衝動買いは始めてである。
きっと、心よりも体が欲していたのだろう。……(笑)

まあ、低反発布団のことなどはどうでもいい。
その日、予定の時間より早く打合せが済んだので、新宿御苑へ寄って見た。
雨の日だったが、低反発布団を買った嬉しさに、なんだか心がわくわくしていた。
事務所へは戻りたくなかった。
「明日できることは、今日するな!」という、ヴェルデさんの格言を実行してみたくなった。

昭和2年(1927)竣工。
設計者は森山松之助である。
といっても良く知らない。
何でも、明治30年帝国大学卒業後、台湾総督府土木技師となった人物であるらしい。

この台湾閣は、昭和天皇の御成婚をお祝いして、台湾島民から寄贈されたものであるという。
面白いほどに中国風の意匠が冴えている。
基礎部分は鉄筋コンクリートの懸崖造りであるが、建物本体は木造平屋建てである。
清朝中期以降の台湾で建てられた「ビンナン様式」を取り入れているのだという。
赤瓦で葺いた反りのきつい勾配屋根の棟には、「燕尾」という「シビ」のようなものが付いている。
使用している木材も、台湾製である。
卍格子の欄間や丸窓などに「ビンナン様式」の特徴が現れているということだが、小生は中国建築については良く知らない。
とにかく、黙して見ても「中国風」であることには間違いない。

丸窓の文字「於物魚躍」(ああ、満ちて魚躍れりと)は、天子を賛美する言葉であるという。
「耶蘇、笛吹けども、汝ら躍らず……」
急に、こんな言葉が浮かんできた。(笑)

池の上に浮かぶ台湾閣
池の上に浮かぶ台湾閣

台湾閣正面玄関""
台湾閣正面玄関

丸窓の文字
丸窓の文字

内観
内観