Isidora’s Page
建築日誌
■小石川植物園売店■    2005年08月26日

このところ「美人刺客」という言葉が流行っている。
「くのいち」というものもあったが、どうやら「刺客」に定着したようだ。
小生が「刺客」という言葉をはじめて耳にしたのは、「子連れ狼」の主題歌であった。
♪ ちゃんの仕事は しかくぞなぁ~

親父の仕事が「四角」だというので、子供の頃の小生は笑ったものだ。……

で、刺客の話はどうでもいい。
問題は「美人」という形容詞の方である。
はて? 誰のことを指しているのだろうか?
昔はともかく、元ミス東大のだれそれなどは、お世辞にも美人とは言えない。
クールビズを提唱するあの方だろうか? いや、あれはただのおばさんである。
お料理研究家のだれそれか? うーん、この辺ならまだ許してやろうか。
個人情報をひた隠しにするエリートさんも、まあ、しょうがない。(笑)

美人の定義などは個人の好みによるものである。
時代的な流行りはあるものの、本来一般化されるものではない。当たり前である。
これは、美術にも言えることであって、美しいか醜いかなど、世論が決めることではけっしてない。
ましてや学者や、権力者が決める話では毛頭ない。
あくまでも、美とは個人の趣味によるものなのだ。
そういえばホリエモンさんの秘書なども「美人」と騒がれているが、あの程度で美人ならば、平成の世の中は不況でも美人だらけで結構である。(笑)

うう~、なにを言いたいのだろうか?
外は台風なので、気が変になったかも知れない。


ということで、小石川植物園で、思いがけない建物に出会った。
まさに「美人」の範疇に入る建物である。
おそらく誰にも騒がれないのであろうが、小生にとってはそのほうが好都合である。
自動販売機で大半が隠されてしまっているが、サーフボードのような形をした片流れの屋根や、大きな嵌め殺しの木造サッシュ。
天井は、木の板張りである。
控えめな白い美人。
そう、小生の憧れは昔から白い美人であった。(笑)

暑さにふらふらしながら、売店のおばちゃんに声をかける。
「いいですね~」
「はぁ?」
「いや、建物のことで……」

夕張メロンのソフトクリームを買って、写真を撮らせてもらう。
30年以上は経っているとおばさんは話していたが、小生の推察では昭和10~20年代頃のものではないかと推測される。
いや、これは勝手な思い込みである。根拠はない。
でも、胸を張って30年と答えたおばちゃんは、この売店で30年以上も勤めているのだろうか?
まさか、そんな……
確かめてみたいと思ったが、いやいや、とてもそんなことは聞かれなかった。(笑)


かっこいい斜め片流れの屋根 
かっこいい斜め片流れの屋根

自動販売機の陰に恥ずかしくうつむいている姿  
自動販売機の陰に恥ずかしくうつむいている姿

美人のおばちゃん  
美人のおばちゃん