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建築日誌
■アインシュタイン塔(国立天文台)■    2005年09月19日

あのやうに

あの雲が

赤く 光のなかで

死に絶えて行った

   ―立原道造―


木漏れ日の中に

待ち続ける

錆付いた

扉にもたれ

    ―A.Y―

太陽分光写真儀室。通称、アインシュタイン塔。
建物は大正15年(1926)竣工。
望遠鏡部分(搭状部分)は、昭和5年(1930)竣工のようだ。
RC造平屋建て。
こちらも国登録有形文化財である。

この塔は、一般相対性理論に基づく「アインシュタイン効果」を検出する目的で建てられたものらしい。
本家本元、ドイツ表現主義の代表作「アインシュタイン塔」とほぼ同じ形式の施設なので、このような愛称が付いた。
メンデルゾーンのアインシュタイン塔が竣工したのが1924であるから、この建物は相当早い時期に真似られた。いや、建てられたわけである。
しかしながら、残念なことにアインシュタイン効果は、この望遠鏡からは検出できなかったらしい。

こちらも機能美そのものを表わした建物である。
外壁にはスクラッチタイルが貼られ、玄関庇はRの付いたキャンチレバーで化粧されている。
本家の曲線美を意識したものであろうか?
設計者は、帝国大学の営繕課としか記されていない。


アインシュタイン塔(国立天文台) 
アインシュタイン塔(国立天文台)木立にひっそりと埋没する外観

玄関詳細
玄関詳細

逆光
逆光(アインシュタイン効果!うそ)