Isidora’s Page
建築日誌
■水戸市水道部低区配水塔■    2005年09月24日

今日は、実にいい仕事を見てきた。

久しぶりの全休である。
スタッフには「試験勉強せよ!」とお暇を出した。
お客さんとの打合せも今日はない。
チャンスである。遠出をするチャンスなのである!
御岳山に登ろうかと思ったけれども、お天気があまりよろしくない。
しからば、山はやめて納豆を食べに行こう!
これで決まりである。
案の定、朝になると面倒でやめようと思ったが、一念発起して水戸へと出かけた。
そういえば、最近茨城に取りつかれている。
茨城は、本当は「イバラキ」と発音するそうだが、地元ではみんな「イバラギ」である。
そんな茨城が好きだ!
そして小生は、塔が好きなのである。(笑)

水戸市水道部低区配水塔。
昭和7年(1932)竣工。
設計は後藤鶴松。
鶴松さんは、昭和5年に赴任した水戸市の水道技師である。(目出度い名前だ)
構造はSRC造。

いやー、さすがにい仕事してますね。
と、こんな物言いの鑑定団のあの方は、実は小生の家の近くに住んでいる。(はずだ)
朝、羽根木公園を散歩すると、ジャージ姿のあの方を良く見かける。
この間は、駅で駅員さんと何か話していた。
「珍しい壷を見つけたので鑑定してくれ!」と駅員に頼まれていたようである。
んな、訳がないだろう。(親父ギャグ)

話がそれた。
配水塔であった。
とにかく見事なデザインである。
「エラの張ったエイリアンのねぐら」そんな感じがする。(笑)
ゴシック、ロマネスク、バロック、和風、と各種様式のオンパレードである。
しかも、その取り入れ方は尋常でない。
凝っている。とにかく凝っている。
おそらく、設計期間中は、鶴松さん、徹夜徹夜の毎日だったろう。……
飽くことのない、デザインへのこだわり。
小生も生まれるのが50年早かったらと、どうでもいい競争心に煽られる。

そういえば、浅草の十二階の天辺も、イメージ的にはこんな感じである。
十二階はイギリス人バルトンの設計。
バルトンも、実は水道技師として招聘された人物である。

同じ敷地内に、付属棟が建っていた。
どうやら量水室のようだが、付属棟までトータルコーディネイトされている。
設計者の執念が伝わる。
脇には龍口水道があった。
昔、小生の家の前にも、このような公共水道があったと記憶する。
水道の水を出すのに鍵が必要だった。
鍵は、町会の役員が持っていた。
遠い昔の記憶である。(髪の毛と同じで、だいぶ薄れておりますが/笑)


水戸市水道部低区配水塔 
水戸市水道部低区配水塔・正面外観

側面外観
側面外観

玄関ディテール
玄関ディテール

塔部分の拡大
塔部分の拡大

付属棟(量水室)
付属棟(量水室)

 龍口水道
龍口水道