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建築日誌
■成田山新勝寺三重塔■    2005年11月21日

新勝寺の超目玉物件である。
同じ過剰美でも、日光東照宮の過剰美とは一味違った趣がある。
逆に言えば(というのが流行り言葉であるが、全然逆に言っていないことが多い)、日光を凌駕するドギつさである。
しつこい。目立ちたがり。派手好み。おお、成田屋っ!(と、一応団十郎の荒事歌舞伎を意識してみる)

最近、株や金に目がくらむ輩が大活躍しているが、この軒先を見ていると、金がない小生でも本当に目がくらんでしまう。
やはり金は下から見上げて拝むものなのか?
とにかくこの塔は、他人を見下ろす態勢が設計の第一コンセプトとして造られた。(笑)

正徳元年(1711)の建立。
棟梁は桜井瀬左衛門。
屋根は銅板葺。
組み物は、唐様三手先詰組。
尾垂木の頭が、龍に変身している。

唐様といっても、この軒先には垂木を使用していない。
見ての通り、極彩色の雲海模様に彩られた板軒である。
しかも、二軒となる豪華版。
これは珍しい。
幾重もの雲海を泳ぎ回る数多の龍神さま。
「株よ上がれ!」と六本木ヒルズを見上げる現代人のように、江戸の庶民も、さぞかし現世利益を願ったことだろう。

軒文様見上げ(その1) 
成田山新勝寺三重塔・軒文様見上げ(その1)

正面
正面

軒文様見上げ(その2)
軒文様見上げ(その2)
軒文様見上げ(その3)
軒文様見上げ(その3)

 全景
全景