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建築日誌
■日本最古のコンクリート電柱■   2007年01月15日

いつも建物ばかりUPしているので、たまにはちょっと変り種を紹介してみたい。
日本最古のコンクリート電柱。
最古と言っても、あのヒッチコックの『サイコ』のことではではない。(笑)
現存するコンクリート電柱のうち、もっとも古い電柱のことなのである。
でも、これは正月明けにUPするネタではないなぁ~。
やはり、紹介するなら年末の忠臣蔵の時期にすべきであった。
「殿中でござる! 殿中でござるっ!!」
って、これを考えるだけで小一時間。(笑)

函館は、長崎・横浜と共に、日本最初の自由貿易港として開港されたため、古くから西洋の文化が輸入されてきた。
したがって、日本初のとか、最古の……と言うものが少なくない。
気候測候所なんかも、函館に初めて出来たらしい。
現存する最古の博物館などもある。(これは後ほどUP予定)
前々回紹介した東本願寺も、日本初の鉄筋コンクリート寺院である。
そして、極めつけはイカスミキャラメル。(笑)
いや、これは冗談ですが、この日本最古のコンクリート電柱などは、なかなか渋いラインナップでしょう。(笑)

大正12年(1923)10月、当時の函館水電会社(現北海道電力)が建てたものらしい。
高さ10m、現場打鉄筋コンクリート工法。
底辺47cm、上辺19.5cmの角錐形殿中である。いや、電柱である。(笑)
そういえば、函館は大火の街でも有名であった。
「火事と喧嘩は江戸の華」などと昔から言うが、明治以降は函館が日本で一番大火が多い街として記録されている。
そのために、早くから鉄筋コンクリート構造などの新技術の導入が必要であった。
「大火」から守るために、建物を「耐火」にしなければならなかったのである。(ここ、笑うところです/笑)
このコンクリート電柱、誕生してからはや84年が経過している。
ご覧の通り、今でも現役バリバリである。
数々の地震にも耐えてきた。
かの姉歯建築士の設計した建物と違い、立派な実績が伴っているのだ。(笑)
看板にはこう記されている。
「――耐用年数を超えても なお現役として街の移り変わりを見守っている。」
うーん、とても感動的なお話なのだが、耐用年数を超えて使用しているなどと、果たしてお役所さんが発表してもいいのでしょうか?(笑)

日本最古のコンクリート電柱 
日本最古のコンクリート電柱

日本最古のコンクリート電柱
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日本最古のコンクリート電柱