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建築日誌
■旧函館博物館一号■    2007年02月02日

黒川紀章の国立新美術館にばかり驚いてはいられない!
あっちが最新の国立美術館だとすれば、こっちは現存する日本最古の地方博物館である。
どんなもんじゃいっ!
最古だぞ~!
四角いコンクリート電柱と並ぶ「函館サイコ物語」 第2弾!
ついに、小生の建築日誌に登場!!(うお~、うお~!、パチパチ~)

って、すいません。
そんなに大袈裟にする必要はありませんね。……(笑)

旧函館博物館一号(旧開拓使博物館)。
竣工は明治11年(1878)。
設計は開拓使函館支庁。
施工は田中善蔵。
木造平屋建て。
チョコレート色の瓦屋根に、白い下見板張りがなかなかよく似合っている。(にっこり)

この博物館、なんと北海道初の公園として有名な(?)、函館公園内に建っている。(明治12年開園)
ひっそりと……
あくまでも、ひっそりと建っている。
いや、函館公園自体がひっそりとしていると言う説も有りますが。……(笑)
でも、この博物館が出来た当時は、Windows Vista の発売を待ち望む行列と同じくらい大勢の人々が並んだと言う。
ん? あんまり大したことないって?
ん~ じゃ、下高井戸のたい焼き屋の行列と同じくらい。(減ってるじゃない!/笑)

それと言うのも、この博物館、かのエドワード・S・モースの肝煎で竣工した、名だたる建物だったのだ。
目的は二つ。
一つにはモース(大森貝塚を発見した人物)の自己顕示欲を満たすため、己の採集品を展示すること。(笑)
もう一つは、開拓使が製造した品物を見本チンレツして、いや、陳列して、北海道開拓使のプロパガンダとして使用すること。
もくろみは大当たりだった!
中に、三ッ星レストランが入ったかどうかは定かではないが(いや、入ってないことが定かである/笑)、とにかくハイカラ好みのハコダテ人は、こぞっておしゃれな博物館へと出かけたのだ。
※すいません、見てきたような事を言ってます。(ぺこり)

とにかく、デザインが素晴らしい!
見よう見まねの擬洋風ではあるが、本邦唯一の「アメリカン・コロニアル風洋風寺子屋様式」である。(ウソ)
建物平面に入口ポーチを設けた「平入り」造り。(神社じゃないってば/笑)
ぺディメントにはアーチを設け、開拓使の五稜星章を掲げている。
円柱の柱頭には、なにやら怪しげなアーカンサス風の饅頭みたいな飾りが光っている。(笑)
しかし、バランスのよい上げ下げ窓の配置や、雨仕舞を考慮した窓上の小庇など、技術的な完成度はかなり高いのだ!
まあ、当時としては、とてもとても斬新で、かつ、おしゃれ~なデザインなのである。
今のところ閉鎖されたままであるが、黒川先生の国立新美術館の完成を祝って、ここはぜひとも三ッ星レストランを招致して欲しいものである。(だから、違うって/笑)

旧函館博物館一号 
旧函館博物館一号(旧開拓使博物館)

旧函館博物館一号
建物平面に入口ポーチを設けた「平入り」造り

旧函館博物館一号 
背面