Isidora’s Page
建築日誌
■旧横浜英国総領事館(横浜開港資料記念館旧館)■    2008年01月21日

泣ぐ子はいねがぁ~! うお~!!
悪い子はいねがぁ~! うお~!!
ワインにビネガ~! おえ~!!
おっと! これは余計である。(笑)

ご存知! 秋田のナマハゲ。
このところ、ナマハゲが女風呂で悪さをしていると聞く。
なんと、ナマハゲの歴史以来はじめての不祥事であるという。
実にけしからん!
実にけしからんが、うらやましい。(笑)
まあ、ナマハゲも男である。
地球温暖化の影響を受けて、少々頭がおかしくなったのかなぁ~。

ナマハゲといえば、ケラミノと出刃包丁。
はい、そこのあなた!
いま、頭のハゲたおっさんを思い浮かべませんでしたか?
違います。
ナマハゲといえば、ケラミノ(トゲトゲの藁で出来た蓑)と出刃包丁が基本。
中身はどうであれ、表向きは髪の毛はチリチリのロングのようです。(笑)
この出刃包丁、もちろん本物ではない。
昔は、トゲのあるタラの木を使ったという。(注:タラちゃんが犠牲になったのではありませんよ)
これで、囲炉裏にあたって出来た「モナミ」と呼ばれる火傷をはぎとるというのだ。
なんとも強引な処方箋である。
転じて「モナミはぎ」→「ナマハゲ」となったといわれているが、こちらもやや強引。
まあ、まだオロナイン軟膏などが出回っていない、はるか昔の話である。(笑)

旧横浜英国総領事館。
って、すいません、何の脈絡もなく。(ぺこり)
横浜の仕事が終わったので、最近ハマにはとんと御無沙汰しております。
まあ、タマ(ハマ)にはいいかなぁ~と思って。(笑)
この建物、安政元年(1854)、日米神話条約、いや日米和親条約の調印式がなされたという土地に建っている。
もちろん、アメリカ代表はペリーさん。
はて、日本側は誰でしたっけ?(笑)
その調印式を見届けたとする、由緒ある大きな玉楠の木を囲んで建設されたもの。
日本の夜明け、我が国が鎖国から脱した記念すべき土地柄なのである。(ふむふむ)

設計は在ロンドン英国工務省による。
竣工:昭和6年(1931)。
施工:昭和土木建設。
RC造、3F建て、B1F。
英国人の、英国人による、英国人のための、英国人らしい、英国人的様式からなる、日本の昭和土木が建てた建築。(笑)
ほぼ同時代に建てられた、近くの神奈川県庁本庁舎などに比べると、文化の違いがよくわかる。(どうぞ、笑ってください!)
片や帝冠様式の無骨なデザインと、片や英国紳士風の優雅なデザイン!
ああ、この差は何だ!(笑)
18世紀に流行したイギリス・ジョージアンスタイルを踏襲した、見事な本格的西洋建築である。

特徴としては、正面玄関とびら上の、くし型をした破風の上がぱっくりと開いている「ブロークンペディメント」が秀逸。
これは、珍しい!
これを見ただけで、いかに英国が開かれた国であるか想像できる。(笑)
また、件の玉楠に向いた面には、繊細な一対の「コリント式」のオーダーが優美にそびえている。(注:柱のデザインの一つだと思ってください)
オーダーの中でも宗男はコリント式オーダーが一番好きで、壊れやすく、繊細で、清楚な美人を想像する。
ここでは、「コリン」と壊れないように、網で囲ってます。(笑)
玄関上のヴォールト天井(丸い天井)には、これまた優美な八角形の天井格子が施されている。
3Fをボーダーで分け、天井を高くしているところなど、さすが小ぶりながらも英国らしい壮麗さを演出している。

このコリント式の柱頭は、ギリシャに自生する「アカンサス」の葉をモチーフにしたものである。
アカンサス、花言葉は「美術」。
名前はギリシャ語のアカンソス(棘:トゲ)に由来するという。
葉アザミの一種で、花は可憐でも葉には鋭い棘がある。
「綺麗なアカンサスにも棘がある。」
こんなので刺したら、アカンサス!(笑)
そうそう、ナマハゲも包丁の代わりのアカンサスの葉をもっていたらどうだったろ?
女風呂に侵入して裸の女性をアカンサスの葉でぶつ。
「ぶって、ぶって」の姫〇由美子議員なら喜ぶだろうが、いや~、こんな想像してはいけませんね。(笑)
【所在地】神奈川県横浜市中区日本大通3 グーグルマップ

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旧横浜英国総領事館 
旧横浜英国総領事館・正面
旧横浜英国総領事館

旧横浜英国総領事館
玄関上のブロークンペディメント

旧横浜英国総領事館
左に見えるのが玉楠の木

旧横浜英国総領事館
コリント式オーダーと、ヴォールト天井

旧横浜英国総領事館 
玄関から内部を見る