Isidora’s Page
建築日誌
■おびんづる様(蓮馨寺)■    2008年05月21日

だまって すわれば ぴたりと当たる!
いや、違いました。
さわって なでると すぐなおる
はい、もちろん宗男は頭をなでなでしてまいりました。(笑)

澁澤龍彦の少年時代をつづったエッセイ集『狐のだんぶくろ』。
その中に、ここ蓮馨寺の「おびんづる様」のことが書かれている。
「こわいといえば、川越には、幼児の私をもっとも恐怖せしめたものがあった。蓮慶寺のおびんずるさまである。」
「馨」の字が「慶」になっているのと、「おびんずるさま」と表記されている違いはあるが、確かにここ蓮馨寺のおびんづる様について書かれたものだ。
澁澤は港区の生れであるが、生まれて間もなく父の転勤によって川越に引っ越した。
4歳まで暮らしていたという。
自分の「最初の記憶」として、このおびんづる様がやみくもに怖かったと、幼児期の記憶を回想しているのだ。
「最初の記憶」というものは不思議なものだ。
ディテールはまったく覚えていないが、何か一点、強く印象に感じた「意識」だけが記憶される、なんてことが多いようだ。
澁澤も、ただ「怖かった」という強い印象は残しているものの、ここの境内の様子などはまったく記憶にないという。
う~ん、宗男の場合はどうだろう?
最初の記憶は、ばばちゃんに足の指の間を雑巾で拭いてもらったことかな?
いや、それはもっと後のこと。
綿飴に砂埃がいっぱい付いて、カチカチになっていた。
という記憶もあるな。(笑)
東京オリンピックの体操の場面、なんて記憶もあるがこれは甚だ怪しい記憶だ。
う~ん、やっぱりよくわからない。

「おびんづる様」
賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)、または単に「おびんずる様」と表記する。
十六羅漢の一人。
正式には賓度羅・跋?惰闍(びんどら・ばらだーじゃ )というらしいが、麻原彰晃の弟子ではありませんのでお間違いなく。(笑)
いわくはいろいろとあるようだが、面倒なので割愛する。
とにかく、不自由なところをさすれば、たちまちにその部分が治るというありがたいものである。
しかしねえ~。
はげちょろびんのおびんづる様の頭をさすっても、果たして効果のほどがあるのかどうか?(笑)

【所在地】埼玉県川越市連雀町7-1 グーグルマップ


  蓮馨寺
おびんづる様
蓮馨寺

蓮馨寺
蓮馨寺