■鬼太郎の家■ 2005年08月29日
鬼太郎の家があると聞いたので、ちょっと出掛けてみた。
妖怪ポストに案内書が入っていたのだ。
世の中は、郵政民営化騒ぎの真っ只中である。
民営化されると、妖怪ポストなどは真っ先に廃業に追いやられるに違いない。(笑)
鬼太郎の家といっても、木の上にやぐらを立てた、あの有名な家ではない。
墓場鬼太郎の頃の家である。
この頃の鬼太郎は、今の優等生坊ちゃんのイメージとはずいぶん違う。
おそらく、今日の倫理観からって、到底TVでは放送できない内容であろう。
その鬼太郎の家を訪ねた。
武蔵野の面影を残す、森閑とした林の奥にそれはあった。
あいにく主人は留守である。
失礼して、写真を撮らせてもらった。
見事なこ○き小屋である。
小生の幼少の頃は、こんな建物はいくらでもあった。
最近ではブルーシートという安易なもので雨風をしのいでいるが、昔はみんな、こうして拾ってきた木材で家を造った。
もちろん掘っ立て小屋である。
掘っ立て小屋とは、その名の通り、穴を掘って柱を建てただけの小屋の意味。
しかし、これは由緒正しい建築工法であって、かの伊勢神宮も掘っ立て小屋なのである。
屋根は板張りで、ところどころ木の皮を葺いている。
玄関は片引き戸で、窓は突き出し窓。
土間には筵を敷いているが、湿気を防ぐために、取り外した板戸を浮かせその上に筵を敷いている。
かなり手が込んでいる。感心する。
昔は、男子なら誰でも大工の素質があった。と、言われていた。
墓場鬼太郎は、その頃の話である。
世の中が明るくなればなるほど、昔の闇が恋しくなる。
もちろん、この家には電灯などはない。
鬼太郎の家・外観
玄関付近
自筆の表札