■雑司ヶ谷旧宣教師館(旧マッケレブ邸)■ 2005年09月23日
『閉ざされた城の中で語るイギリス人』
こんなタイトルの本があった。
『閉ざされた部屋の中で働く建築士』
さっきからこんなフレーズが浮かび、頭から離れない。(笑)
(笑)とは書いたが、こんなことぐらいでは可笑しくとも何ともない。
笑いとは、そういうものだ。
そう簡単に、他人とは共有できないものなのである。
文中(笑)と書いているが、これは人様に笑って欲しいのではなく、自分が笑いながら書いていることを示す。
笑いながら書く。……
笑いながら話す奴は多いが、笑いながら書く奴は、やはり城の中で語るイギリス人と同類である。(笑)
こういう笑いも、果たして、共有できるお方が何人いるだろうか? (笑)(笑)(笑)
雑司ヶ谷墓地の通りを、ちょっと横へそれると旧マッケレブ邸がある。
小石川植物園に行った帰りに寄ったもので、ちょうどひと月前のことである。
とにかく暑い日だった。
護国寺の駅から雑司ヶ谷の墓地までの道のりは、さほど急ではないが、やや長い上り坂が続く。
暑い日は、この上り坂を睥睨するだけでげんなりとする。
それでも建物見たさに我慢して坂を上る。
そして、やや道を迷った挙句、ようやくたどり着いた先は何と門が閉ざされていた。
何たることか! 一歩も中へ入ることが出来ない。
「閉ざされた宣教師館前で立ち尽す日本人」
まったく、なんで日曜日なのに休館日なんだ!(怒)
明治40年(1907)竣工。
木造2F建て。
設計者はマッケレブ本人だといわれている。
マッケレブは、アメリカ出身の宣教師である。
明治25年に来日しているが、大東亜戦争が勃発した昭和16年に母国へ帰っている。
建物は、アメリカ人の邸宅らしくアメリカン様式で構成されている。
外壁を下見板張りで構成される「シングル様式」。
随所に「カーペンター・ゴシック様式」が取り入れられているということだが、直訳すれば「大工が考えたゴシック様式」。
馬鹿にしている。
アメリカ版擬洋風、とでもいうのだろうか?(笑)
とにかく中へは入れないので、門の外から撮影する。
門扉の透き間も細かくて、カメラのレンズさえ入らない。
門柱へ上り、植樹の間から写真を撮る。
汗はだらだらかくし、通行人には訝しがられる。
どうにかこうにか物にした写真がこれである。
まるでのぞき写真である。
まあ、これはこれでいいか!
カメラ・オブスキュラ。
そういえば、こんなテーマのホラーもあった。(笑)
雑司ヶ谷旧宣教師館・のぞき見写真風外観(その1)
のぞき見写真風外観(その2)
のぞき見写真風外観(その3)