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建築日誌
■駒澤大学耕雲館(旧図書館)■    2005年10月10日

駒沢公園の近くに、駒沢大学がある。
いや、駒沢大学の近くに、駒沢公園があるのか?
まあ、どちらでも構わないが、とにかくこの二つは近接している。
因みに、東京農大の近くにあるのは、馬事公苑である。(笑)

昭和3年(1928)竣工。
設計は菅原栄蔵。
銀座のライオンビルの設計で有名な建築家である。

菅原といえばライトに傾倒した事が有名で、随所に「ライト風」のディテールが散見される。
なにを読んでも「ライト風」と書かれており、果たして建築家にとって、これは幸福なことであっただろうか? 
――と、心配するまでもなく、菅原は幸福だったに違いない。
少なくとも、ライトを真似て「コルビュジェ風」と書かれないだけましである。(笑)

ところで、この建物はセセッション風である。(笑)
でも、日本のセセッションはことごとく表現主義に近いから、これを小生は「表現分離派」と呼ぶ。(今考えました)
そしてこの建物は、もちろんライト風なディテールも多用されているので「表現分離派―ライト」と命名する。
あ~「セブンスター―ライト」をもじったつもりだが、これでは座布団はもらえない。(笑)

写真の方向では良く分からないが、正面から見ればほぼシンメトリーな稲妻型のプランをしている。
一見、複雑である。
しかし、よく見れば幾何学的な単純なプラン。
センスがいい。

外観は、スクラッチ・タイルの縦ラインと、白い壁とのコントラストが印象深い。
もしかして、ライトよりかっこいいかもしれない。いや、ほんと。(笑)

内部に入ってみて、ぶったまげた。
3階吹き抜けの巨大な八角形のホールがある。
さすが旧図書館。
トップライトは彩色が軽いが、その大きさには目を見張るものがある。
しかし、……だな。
現在は「禅文化歴史博物館」になっており、この巨大なホールの中には、何ときらびやかな須彌壇が飾られていた。
「ありがたや~」と手を合わせ、天井だけ撮って帰ってきた。(笑)

駒澤大学耕雲館(旧図書館) 
駒澤大学耕雲館・複雑な外観1


トップライト(白黒写真)""
トップライト(白黒写真)

外観2 見下げ
外観2 見下げ(黒ずくめの女性)

外観3
外観3

外観4
外観4

外観5
外観5