■小熊家住宅(旧佐田家住宅)■ 2005年10月11日
※ ヴェルデさんよりリクエストがあったので、北海道のライトこと、田上義也の住宅をアップします。
竣工は昭和3年(1928)。
木造2F建て。
所在地は、函館市元町である。
思いがけないところから、思いがけない名前を聞いてかなりびっくりした訳ですが、この田上義也は、最近なかなか人気のようである。
小生の常識では、地元北海道の人間ですらほとんど知らない建築家である。
この旧小熊邸にしろ、余りにも地元に溶け込んでおり、有名な建築家の作品などとは誰も思わなかった。
ましてや、観光客が踏み入れるべき優良コースには入るすべもなく、かなりの間、知る人ぞ知る埋もれた傑作であったのだ。
平成12年に登録有形文化財に指定されたが、それまでは、歴風文化賞(函館の歴史風土を守る会)に指定されるのみだった。(笑)
因みにこの歴風会の元会長とは、わが函館時代の恩師、浜島国四郎先生である。
現在はプレイリーハウスと命名されていて、どうやら映画などの撮影などに使われているらしい。
古いネガを調べていたら、程なく見つかった。
平成2年7月13日とメモされている。
盆休みに帰ったときに写したものだ。
この時のことは覚えている。
函館で花屋をやっている兄に、この建物のことを尋ねたことがあった。
以下小生兄弟のやり取りを、忠実に再現。
小生:「元町の、ほら、あの奥に、すんげえ建物があるはずだけど、知ってるが?」
兄:「そんなもんねえべぇ」
小生:「ちょっと変わった奴よ。わがんねぇが?」
兄:「もう生まれだどぎから住んでるべや。そんなのあるわげねぇべぇ!」
小生:「配達の暇に、ちょっと近くまで乗せでけろ」
………………………
小生:「たしか、この辺だど思ったけどなぁ~」
兄:「ほらめ、どごにもねぇべぇ」
小生:「あっ! これだ!」
兄:「ああ、なんだぁ、小熊さんの家だべな」
注:当時小熊さんが住んでいたかどうか知りませんが、大体こんな感じです。(笑)
ヴァリエーションの違う写真が2枚だけ見つかった。
スキャニングでは色再現が良くないので、まあ何とか見られる奴をアップします。
小熊家住宅・外観