■江向家住宅■ 2005年10月18日
昨日、急に合掌造りの建物を見たくなった。
岐阜の白川郷へでも行ってみよう。……
夕方から、例によって大事な打合せがあるので、それまでには帰ってこなくてはならない。
仕方なく、ドラえもんに頼んで「どこでもドア」を出してもらった。
で、行き着いた先は、小田急で10駅ほど先の「向ヶ丘遊園」である。(笑)
白川郷とまでは行かないが、ここには有数の合掌造りが沢山あるのだ。
川崎市立日本民家園。
昭和42年開園の老舗である。
重要文化財がうじゃうじゃ建っている。
遊園地はとっても苦手だが、小生はこういう博物館が大好きなのだ!
江向家住宅(えむかいけじゅうたく)。
竣工は、18世紀初期。
元は富山県五箇山地方の農家(組頭の家)。
切妻、妻入り、茅葺、三階建ての合掌造り。
妻入りとは、建物の妻側(三角形の部分)に入口がある建物のことを言う。
嫁入りと間違わないように。(笑)
合掌造りといっても、白川と五箇山では様式が大いに異なる。
どう異なるかと言うと、詳しくは知らない。(笑)
いや、大雑把に言うと、妻入りか平入りかの違いと、平面プランの違いである。
それがどう異なるかと言えば、詳しくは知らない。(笑)
いや、白川は平入りで、五箇山では庄川筋は妻入りが多く、利賀川筋では平入りが多い。
と解説には書いてあるが、それ以上はやっぱり詳しくは知らない。(笑)
で、この江向家の平面図を見ると、これが日本語かと思われるくらい、けったいな室名が目に付く。
玄関から入るとすぐ左側が「ニワ」で、右側が「ウマヤ」である。
その奥は、「デイ」と「オエ」と「オマエ」と「ヘヤ」の4部屋からなっている。
このような間取りを四間取りという。
これを3つに分けたものを三間取りという。
2つの場合が二間取り。
そして、一つだとワンルーム。(笑)
この「デイ」と言うのは接客用の部屋のようです。「オエ」は居間のようなもの。
「オマエ」は「オレ」ではなく、あくまでも「オマエ」で仏間のある部屋のこと。
「ヘヤ」は無修正ビデオのことではなく、寝室(個室)のこと。(個室で見る無修正ビデオを想像しないでください)
「デイ」と「オエ」には、ダブルで囲炉裏があります。
ここで火を焚くと、むくむくと煙が屋根を付き抜けて、空へ飛んでいきます。
「ハッポウ」と言われる屋根の高窓は、さしあたり採光用トップライト。
ここからも、煙はむくむくと昇っていきます。
中で係りの人がのんびりと煙を焚いておりました。
ちょっと話しかけてみる。
小生:「そんなに煙を出して、大丈夫なのですか?」
係り:「ええ、燻煙しないと、虫が死なない」
小生:「虫を追い出しているんですか?」
係り:「虫だけでなく、こうやって乾燥させる」
小生:「雨漏りはしますか?」
係り:「そりゃもう、大変で」
うーん、こういう家にあこがれる若者が多いが、現代っ子にはとうてい生活できないだろう。
江向家住宅・外観(平部)
妻入り玄関部分
外観(反対側)
「ハッポウ」から出る煙
「デイ」から「オエ」を見る
「オエ」を外から覗く