■佐々木家住宅■ 2005年11月03日
佐々木家住宅(日本民家園内)
旧所在地は、長野県南佐久郡八千穂村。
享保16年(1731)頃の普請であるという。
正確な年号がわかるのは、代官所への建築届けが残っているから。
寄棟、1F建て(一部2F)、茅葺、石置板葺きの庇。
農家(名主の家)。
前回、便所の話が話題に上ったので、便所のある農家をアップしてみた。
とにかく長い建物である。
桁行き24.1m。なんと、13間以上もある。
建物正面左側は「ザシキ」と「オクザシキ」で、延亨4年(1747)に増築されたもの。
ここに「風呂場」と「便所」がある。
しかもこの便所、畳敷きであるという。
残念ながら中は見ることはできなかったが、相当の格式を表わしているものと思われる。
名主は、代官所の見回り役人を接待したり、泊まらせたりしなければならないから、それなりに普請も立派になる。
この構造は、今も昔も変わらない。
贅沢な建物なんて、所詮私権社会の勝ち組の象徴である。
役人と手を組んで、汚いこともやったに違いない。
まあ、手放しに褒められたものではないのだ。(笑)
大戸口にある便所(外便所です)は、作業の合間に、すぐに用を足せるようにとの配慮から。
普段使う便所は、別棟で、これは復元されていない。
佐々木家住宅・外観(向かって右端から2間半のところが大戸口)
大戸口すぐ左にある便所
「ドマ」から、「ミソベヤ」と「ウマヤ」を見る