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建築日誌
■山渓園聴秋閣■    2005年11月10日

コルビュジェのロンシャンがいかに造形的であろうとも、この聴秋閣の非対称にはかなうまい。
これぞ日本の美学である!
アラーキーが、本場「飛雲閣」を撮ったので、小生は関東の聴秋閣を撮ってみた。
うーん、やはり無駄な抵抗だった。(笑)

元和9年(1623)造営。
京都二条城内に建てられ、その後数度の移築を重ね、大正12年ここ山渓園に移された。
山渓園は明治の実業家原富太郎(号山渓)が、普請道楽の末に開園した(明治39年)庭園である。
重要文化財級がごろごろしている。
なかでも聴秋閣は、目玉物件。

それにしても、この非対称の美しさには脱帽である。(いえ、もともと帽子など被っておりませんが)
屋根はこけら葺、上重寄棟造り、下重入母屋造り。
金閣、銀閣、飛雲閣の系統に連なる、見事な楼閣建築である。

とにかく、中が見られないのが残念。
表側も、いいアングルがあるのにそちらへ行かれない。
しかも薄暗いので上手く撮れない。
いや、明るくったって上手く撮れないのだが。(笑)

それにしてもこのかたち、いい塩梅しているねぇ。
遊び心である。贅沢である。数寄好みである。
一生に一度でいいから、こんな建物を建ててみたい。
いや、建主のほうではなくてね。(笑)

外観(その1)
 山渓園聴秋閣・外観(その1)

外観(その2)
外観(その2)

外観(その3、蔀戸) 
外観(その3、蔀戸)