■大手町野村ビル(旧日清生命館)■ 2006年02月26日
刺青建築 第3弾!
いや、実は3本撮りでした。(笑)
日本工業倶楽部から大手町の方へ歩いて行くと、交差点の角地に、ゴシック風の時計塔が聳え立つ野村ビル(旧日清生命館)が建っている。
と、思っていたのだが、これも同じく、薄皮だけを残した刺青超高層建築、大手町野村ビルに変身していた。(笑)
オフィスビル棟の竣工は平成6年(1994)。
設計は大成建設である。
地上27階、塔屋1階、地下5階。
最高部高さ138m。
しかしこちらは、外壁の仕上材が元の錆御影石と同じ色調で構成されているため、景観上の違和感は少ない。
違和感が少ない分、ただの全く新しい今風の高層ビルに見えなくも無い。(笑)
これも、保存の方法の一つの見本である。
旧日清生命館。
昭和7年(1932)竣工。
SRC造7F建て。
設計は佐藤功一である。
佐藤は、日比谷公会堂や早稲田大隈講堂の設計者でもある。
施工は大林組。
今回の超高層化JV(ジョイント・ベンチャー)には、残念ながら大林の名前は連なっていない。(笑)
オリジナルの外観様式は、かなり改修されてしまっている。
ポツ窓で構成されたファサードは、思い切って横連窓のカーテン・ウォールに変更されている。
機能を優先した結果であるが、これは正しい選択だとも思う。
居住者を第一と考えるのは、建築の避けがたい使命でもある。(笑)
時計塔の外観部分とパラペットの尖塔などに、わずかに旧デザイン様式が偲ばれるが象徴性は消えてしまった。
代わりに、巨大なカーテン・ウォールが平成という時を象徴している。
デザインの保存と機能の追及。
確かに東京銀行協会ビルよりは、景観に注意を払っている。(笑)
大手町野村ビル(旧日清生命館)・全景
横連窓のカーテンウォール
旧日清生命館アップ
見上げ(その1)
見上げ(その2)
内観