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建築日誌
■日比谷公会堂・市政会館■    2006年04月16日

日比谷公会堂。
日本のカーネギー・ホールと言われているらしい。
そういえば、どこかの地方で「カモネギ・ホール」と銘打った産地直売展をやっていたなぁ~。(笑)

で、この建物、昭和4年(1929)の竣工で、設計は佐藤功一博士。
施工は清水組。
SRC造10F建て。地下1階。
日比谷公園内の目玉物件である。
東京市長・後藤新平の発案で、安田財閥の寄付によって完成される。
カーネギー・ホールのほかに、市政会館を併せ持つ。

大正11年にコンペが行われ、佐藤功一のルネサンス様式案が入選する。
しかし、翌年の関東大震災により計画は一時中断。
再び佐藤の実施設計で再開されたときには、なんとルネサンス様式から、ゴシック様式へと変わっていた。
「周囲の風致に調和させる」ためであると言うが、コンペで入賞しておきながら、実施で計画変更をするという手法は、ああ、今も昔も変わらないなあ~。
いや、お偉い先生じゃなきゃ出来ませんが、そんなこと。(笑)

とにかくダサイ、ネオ・ゴシック様式である。
垂直性を強調したと言うが、高さが足りない。
おまけに横幅が広いため、どう見ても甲子園球場のスコアボードにしか見えない。(笑)
酔っ払ったタイガースファンは、日比谷公園の噴水に身を投じるという噂である。

とは言うものの、なかなか温かみのある、荘厳なデザインである。
人々に親しみを与える、シンボリックな建物。
と、デタラメを言っても違和感がないほど、今となっては周辺の風致に反逆している。(笑)

このあたりは「お化け丁場」と言われるほどの軟弱地盤で、佐藤博士も基礎工事には苦心したと記録にある。
長さ20mの松杭を、2,200本打ち込んであると言うのだから、これはこれで見事である。
すぐ近くには三信ビルがある。
ほぼ同じ頃の作品ではあるが、そのデザイン性の違いが見事に現れている。


日比谷公会堂・市政会館・外観(その1)

外観(その2)
外観(その2)

外観(その3)
外観(その3)

外観(その4)
外観(その4)

ガラス製庇
ガラス製庇

公会堂階段
公会堂階段

ネオ・ゴシックの荘厳なファサード
ネオ・ゴシックの荘厳なファサード

甲子園球場のスコアボード
甲子園球場のスコアボード