■渡邊ビル■ 2006年05月21日
昨日とは打って変わって、今日はものすごくいい天気です。
こんな日は、真昼間から部屋の中でビールを飲む!
夕方から打合せなんだけれど、まあ、それまでに醒めればいいや。(笑)
ということで、あまり物事を考えたくない。
どうしようかな~、と思いつつ、浜松町の渡邊ビルの写真を整理。
今日はこれに決定!
港区のお殿様のお城へ出向くとき、たいていは千代田線経由で、日比谷乗換え、都営地下鉄に乗って御成門で下車する。
それ以外は、渋谷経由で浜松町で下車し、そこから徒歩。
「李白、徒歩(杜甫)」なんて、つまらないことを考えながら、にたにたしながら徒歩してます。(笑)
で、浜松町の駅を降りると、すぐ目の前にこのビルがあります。
ドラマなどのロケ地になったこともあるようで、それなりに有名な建物。
昭和6年(1931)竣工。
RC造、3F建て。
設計・施工は大林組。
スクラッチタイルを多用した、擬帝冠様式風のオフィスビル。
ゼネコンの設計部の建物として、それなりに力が入ったものとなっている。
ファサードは、あからさまに九段会館を真似た、垂直リブの上に瓦屋根を乗せた厳かなデザイン。
柱の段差にまで切妻屋根を施しているところが、なんともご愛嬌である。(笑)
なんて、茶化してみたくなるが、実はこのビル、九段会館よりも3年ほど前に竣工している。
これは一体、どういうことか!
詳しい資料がないのでよく分からないが(設計者不詳)、これにはダ・ヴィンチコード以上のミステリーが潜んでいるかもしれない。(笑)
玄関廻りは、緑色のボーダータイルで柱を化粧して、スクラッチタイルとの対比を楽しんでいる。
中央のドアは改装されているが、左右のドアは元のままらしく、欄間の歪んだステンドグラスが印象深い。
窓枠は、RC製の太いボーダーで三方を囲い、下端は水切り仕上である。
サッシュはほとんど入れ替えられているが、往時のスチールサッシュを想像すると、この太い窓枠はかなり斬新なデザインになっていたことだろう。
加えて、雨仕舞に考慮した、ゼネコンならではの安心設計である。(笑)
今でも普通に使用されていて、このビルは隠れた優等生である。
1Fにアートコーヒーが入っているが、さり気ないレトロ感をかもし出していて、なかなか雰囲気はよろしい。
渡邊ビル・外観(その1)
柱のデザイン
九段会館風のデザイン
歪んだステンドグラス
レトロな押しボタン
1Fアートコーヒー
建物の裏側はこんな感じです(笑)