■旧毎日新聞社京都支局(1928ビル)■ 2006年11月23日
♪ 三条へ行かなくちゃ~
三条堺町のイノダって言うコーヒー屋へね
あの娘に会いに~
なに 好きなコーヒーを少しばかり……
ご存知! イノダのコーヒー店です。
って、すいません、ウソです。
イノダのコーヒー店(支店)の並びにある1928ビルです。(笑)
あの娘に会いに行ったわけではありません。(←どの娘だ!)
コーヒーを飲みに行ったわけでもありません。
そうです。
1928ビル、旧毎日新聞社京都支局に会いに三条へ行ったのです。(建物かよっ!/笑)
京都の三条通りは、近代建築の宝庫である。
秀吉が三条大橋を架けたのち、三条通りは東海道五十三次の終点として栄えたという。
いや、終点というと京都のお方に怒られるそうで、ここはあくまでも起点としておこう。……(笑)
明治・大正から戦前まで、京都のメインストリートとして君臨している。
以後、開発の余波を受けなかったため、結果的に今日まで古臭い建物群が残ったまでのこと。
いや、古臭いといっても、京都にはもっともっと古臭い建物がわんさかしてますが。(笑)
☆
旧毎日新聞社京都支局。
竣工は昭和3年(1928)。
設計は武田五一。
施工は大林組。
RC造、3F建て、B1F。
1998年に若林広幸が改修工事を行い、滅茶苦茶軽い建物に変えてしまった。(笑)
若林といえば、あの鉄人28号みたいな南海空港特急をデザインした人物である。
当初このビルは、マジンガーZに変えられるのではないか? というもっともらしい噂が立った。(ウソ)
☆
それはともかく、設計者の武田五一は、本物の建築家である。(いや、若林が偽者だとは言ってません/笑)
彼は、京都大学建築学科の創設者で、関西建築界の第一人者でもあるのだ。
アール・ヌーヴォーやセセッションをいち早く紹介した人物で、F・L・ライトに浮世絵を示したという記録もある。
三階の星型のバルコニーやペントハウスの星型の窓などは、当時としては斬新過ぎるくらいハイカラなデザインである。
「かわいい~!」
と、いまでも婦女子には人気が高い。(笑)
開口部上に設けた水平の庇などは、F・L・ライトの水平性の影響を受けたものであろうか?
屋上の非対称のデザインや丸窓は、分離派の得意としたところである。
異国情緒豊かに、換骨奪胎の妙を取り入れた、武田五一の独壇場というべき無国籍デザインであろう。.……(笑)
ただし、どう見ても重厚感に欠ける。
それに追い討ちをかけるように若林がますます軽くした。
いや、そもそもF・L・ライトに影響されているだけに、デザインそのものも "Light" であったか。(笑)
旧毎日新聞社京都支局(1928ビル)
開口部上に設けた水平の庇
セセッション風の丸窓
側面
内観
ベランダ方向を見る