Isidora’s Page
建築日誌
■達磨大師像■    2007年10月16日


 函館の三大観光名所をあげるとすれば……
まずは、函館山から見下ろす100万ドルの夜景。
続いて五稜郭。(四稜郭というところもあるのだが、誰も知らない)
そして異国情緒あふれる、トラピスチヌ修道院。
……ふむふむ。
まあ、こんなところだろうか?
しかし、これらはよほどメジャーな観光地であはあるが、地元の住民はあまり行かない。
灯台もと暗し。(大正デモクラシーに音が似ている)
東京生まれでありながら、東京タワーには一度も上ったことがないという、あれと同じでございます。
いや、千葉に住んでいながら、東京デズニーランドへは何度も行っているという、あれとは違いますが。……(笑)

さて、先日甥っ子の結婚式に出るために、函館へ帰った。
仕事が立て込んでいる中での帰省だったので、ゆっくりとできなかった。
しかし信心する達磨大師像だけには参拝することができた。
親父の墓参りはしなくても、宗男は帰省するたび必ずここを訪れるのである。
 ……というのは、真っ赤なうそで、ここの達磨さんにお会いしたのは実に35年ぶりくらいである。(笑)
この達磨さん、そんじょそこらの達磨とは訳が違う。
トラピスチヌ修道院に向かう坂の分かれ目にあり、一瞬ごらんのように不可解な看板に目が留まるのだが、観光客はみな気が付かないふりをしてトラピスチヌへと向かう。
怪しいのだ。(笑)
地元でも、昔から「トワイライト・ゾーン」として有名であった。
しかし、ここの達磨さん、看板にもあるように「道南名所第三位」なのである!
なんと道南で第三位!
一体これは、どうなん(道南)でしょう!? (すいません/笑)

かつて、エースのジョーこと宍戸錠は、世界早射ち第三位! と吹聴していた。
第一位は、ゲーりー・クーパーの0.2秒。
第二位は、アラン・ラッドの0.6秒。
そしてわれらがエースのジョーは、何と0.65秒!
アラン・ラッドにわずか0.05秒追いつかなかった。
でも残念なことに、エースのジョーは頬のシリコンを取ってから「あれは日活と組んで作り上げた冗談だった」と告白した。
なんと、一位や二位では嘘がばれるから、三位くらいだと罪にならないだろう……と考えたらしい。(笑)

しかぁ~し……
この達磨大師像は、正真正銘の道南第三位なのである!
えっ? どうしてだって?
それは、その~ 見る人が見ればわかるのだ!
この、威風堂々とした達磨像は、まるで絵に描いたように薄っぺらい。
薄さは安心!
芸術は繊細である!
転んだら決して起きない!
ダルマといえば丸いもの。
この従来の常識をはるかに超えた、世界的にも貴重な「平面達磨」なのである。

達磨大師像。
昭和26年(1951)8月1日建立。
建立者は、斎藤キワ(昭和34年没)。
自家製コンクリート造、ペンキ塗り。
高さ7m。
数々の地震にも耐えた耐震構造。(かもしれない)

キワさんは、夫の死後達磨大師に帰依し、自らの手で、木材、針金、セメント、コンクリートなどをこねまわしてこの達磨像を作った。
奈良にある、達磨寺のそれと同じものを作ろうとしたとされる。
不動明王や八大竜王などの像もあるらしいが、宗男は未見である。
何となく怖くて、ゆっくり見る気になれないのだ。(笑)
ちなみにキワさんはこの人。
キワさん 

 トラピスチヌ修道院もいいけど、函館に寄ったら、ぜひとも道南三位のこの観光名所に立ち寄っていただきたい。
いや~、それにしても薄っすいなぁ~。
【所在地】北海道函館市上湯川町336 グーグルマップ


達磨大師像 

達磨大師像

達磨大師像 
薄っすいな~!

達磨大師像 
裏から見ると、海老フライの尻尾のようにも見える。(笑)