妖怪戦争から逃れた鬼太郎は、一時期ここに引き籠っていた。
――という、都市伝説がある。
いえ、伝説ですからあんまり信じないでください。
って、信じる人はいませんね~。(笑)
☆
ここは、函館市内でも一番さびれた「十字街」という交差点である。
かつては、東京以北最大のカフェー街であったが、?今ではわずかに建物や建造物にその面影を残すだけ。
この、操車塔もその一つ。
「私が若かったころは、妖怪サミットが開かれるほど賑やかな電車通りだっのになぁ~。」
と、年老いた鬼太郎は唇を噛む。
――だから違うって。……(笑)
☆
久生十蘭の代表作に『十字街』という小説がある。
久生は函館出身だから、さぞかし賑やかだった頃の「十字街」を舞台としたと思いきや……
なんと、その舞台はフランスのパリであった。(笑)
だからこの操車塔とは何の関係もない。
関係がないなら書かなければいいのにと思うのだが、書かなければならないこの性分は、きっと死ぬまで治らない。(笑)
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操車塔とは、交差点で電車の信号を表示するのと、ポイントの切り替えを手動によって遠隔操作するもの。
この一人用のクレーンのコックピットみたいな閉鎖空間は、子供心に「かっこいい!」と思った。
「大人になったら、何になりたい?」
という学校の先生の質問に、必ず何人かは「電車の運転手」と答えた。
ちなみに、電車の運転手とは、都会の皆様が思っている小田急線や山手線や中央線などの電車のことではなく、路面を走る「チンチン電車」のこと。
田舎では、老若男女・学識経験の有無を問わず、前者を「汽車」といい後者をあくまでも「電車」と呼んだ。
ええ、そうですとも!
宗男も、上京してしばらくの間は、東武東上線のことを「汽車」と呼んで失笑を買った。(笑)
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函館のチンチン電車の歴史は古く、大正2年(1927)に亀函馬車鉄道が電化されたのが始まりである。
いえ、亀と馬が電線でつながれたのではありませんよ。(笑)
北海道で初の電車である。
しかも、この操車塔は、現像する日本最古のものである。
ここから、サイコ・スリラーが始まった!
と、これも何度か使った親父ギャグね。(笑)
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昭和44年当時は、市内に6基あったという。
赤字続きで、度重なる廃線の危機や縮小を余儀なくされて、現在ではこの1基だけが残った。
平成7年まではこの中に制御装置が置かれて使用されていたらしい。
でもね、ほんとは交差点の反対側にあったんですよ~。
邪魔だから、こっちに移したんだって。(笑)
☆
チンチン電車は、なぜ「チンチン電車」と呼ばれるかご存知であろうか?
答えは、「男の人しか乗っちゃいけないから。……」
いや、違います。(笑)
車掌と運転席の間に紐がつながっており、出発の合図に車掌が「チンチン」を出した、いや、「チンチン」と二度鳴らしたことに由来するのです。
この頃、同じく郵便配達も二度ベルを鳴らすのが流行ったという。(笑)
☆
参考までに、函館を観光するなら、このチンチン電車とバスの両方が使えるプリペイドカードがとっても便利です。
その名も「イカスカード」。
名物のイカをもじったものね。
なかなかイカス名前でしょう。(笑)
注:イカの形をしているわけではございませんので、ご注意ください。
【所在地】北海道函館市末広町5-14 グーグルマップ
十字街の操車塔
十字街の操車塔
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チンチン♪
ビューン!