「うなぎ」という語は、「むなぎ」が転訛したものだという。
「む」と言うのは「身」のことであって、「なぎ」とは「長げ~」ことを言うのだそうだ。
それがなぜ「うなぎ」になったのか?
「むなげ」に転訛してもよさそうなものである。(笑)
また、胸が黄色いから「胸黄」(むなき)→「うなぎ」と言う説もあるらしい。
建築的に言えば、「棟木」(むなぎ)に似ているからだという説もある。
説はたくさんあるが、どれも確証はない。
ちなみに、かゆみ止めの薬「ウナコーワ」は、しらすうなぎの粘液から採取される「ウナドナリン」を主成分としているためこの名が付いた。
……と言うのは真っ赤な嘘で、みなさん「ウナドナリン」は信じないでくださいね。(笑)
☆
正月に川越に行ったばかりだが、性懲りもなくまた川越へ出掛けた。
目的は「ぎなう」、いや「うなぎ」である!
ここ「小川菊」は、江戸時代・文化文政期の創業で、ざっと180年も続く老舗である。(らしい)
暖簾は、左と右で裏返して下げているのではない。
昔からの御贔屓のために、ちゃんと右から読んでも左から読んでも分かるようにと配慮してのこと。(笑)
川越きってのうなぎ屋さんで、秘伝の味は老舗の暖簾を決してうなぎらない、いや、うらぎらない。(笑)
☆
『小川菊』
竣工は大正13・14年(1924・25)頃。
設計・施工者は不詳。
木造3F建て。
☆
木造3F建てとは、これまた素晴らしい!
しかも、3Fは道路からセットバックしていて、江戸時代の斜線制限に配慮してのことか?(笑)
銅板葺の庇には、軽くむくりが付いている。
うなぎが逃げて庇へ登っても、ちゃんと樋に落ちてくる計算である。
ん?
そんな馬鹿な! (笑)
2Fの出格子が特徴で、3Fの戸袋を除いて外壁全面が窓である。
陽当たり良好のカーテンウォールみたいと思ったが、残念ながらこの窓は余り陽が当らない東向きであった。(笑)
☆
2F・3Fは、現在は使われていないと言う。
むかしは、2Fで将棋や碁を打つお客もいたらしい。
3Fは特別座敷だったようで、うなぎの寝床のように細長くはない。(笑)
う~ん。
この側桁階段の上には何があるのだろう……
「登ってもいいですか?」
と聞くと、駄目だと言う。
ここを登れるのは「うなぎ」だけ。(笑)
注:「うなぎのぼり」に掛けてます。
カステラ一番~ 電話は二番~ ♪
三時のおやつは文明堂~♪
(これ、知っている人どのくらいいるでしょう?)
ではないけど、昔の電話は34番。
現在は049-222-0034
何と、同じであった。(笑)
これが老舗のうな重!
う~む、ウナドナリンたっぷりの、決してうなぎらない味であった。(笑)
【所在地】埼玉県川越市仲町3-22 グーグルマップ
木造3F建て※隣の建物は『伊勢源』(明治末頃)さんです。
2Fの出格子が特徴で、3Fの戸袋を除いて外壁全面が窓
煉瓦造のうだつは、『伊勢源』のもの
店内
この側桁階段の上には何があるのだろう
古い電話番号