Isidora’s Page
沙羅渓谷

●この原稿は1995年ごろに書いたのではないかと思う。全部で30篇ほどを取り上げて、一冊の本になるぐらいのガイドをしようと考えたものだが、その後極端に忙しくなり、続きが書けないままでいた。時間が経ったのであまり興味を持てないでいるのだが、この機会に書き足してもよいかと思い、ここに載せた。ファイルも紛失していたので、畏友・篠田真由美に預けてあったプリントから起こした。誤植を直しながら少しだけ手を入れたが、ほぼ原型のまま。直すくらいなら捨てたほうが簡単である。ともあれ、ここにこのようにしておけばおそらく、何か契機があった時に続きを書く気になるであろう。
●自発的にものを書く場合、憤りが契機になっている場合が圧倒的に多い。書くことで内心に鬱積した憤懣を解消させるために――いわゆるガス抜きのために書いている。書いてしまえばあとはどうでもよくなる。当時はフェミニズムに関しては怒っていることが多かったのだろう。フェミニズムについて思うことはいろいろとあるが、このプライヴェートな場所以外では書かないつもりである。
●このページのタイトルはこの初回に取り上げた『サラサラ姫の物語』という作品に敬意を表して付けられている。入手しにくいかもしれないが、若い女性たちには、ぜひとも一度は読んで欲しい作品である。基本的にガイドなので、興味を持たれた方は原著に当たってほしい。もともと原著への手引きを想定して書かれているのである。それが現実的なことかどうかは措くとして。
★【水の道標】では、背景に有里さんの壁紙集【千代紙つづり】から何点か使わせていただいております★