■セント・ジョセフ・ベーリック・ホール■ 2005年08月15日
お盆休みである。
世間では確かにお盆休みである。
小生の事務所でも、スタッフには世間並みにお盆休みを取らせている。
でも、所長はこうやって徹夜で仕事をしている。
なにかが違う!
いや、これが現実である。
業界の極北部分は、いつだって不条理に満ちたホラーな世界なのである。
と、悲観しても始まらない。(笑)
お盆休みを取れないのは、何も業界の底辺ばかりとは限らない。
国家を支える衆議院の皆様も、今年はお盆など休んではいられない。
選挙があるのだ。
「なんでやねん」の辻元選手も、北海道新党の宗男元議員も、起死回生に打って出るとの噂である。
忙しくなる。そう、熱くなる。
設計屋ごときが、のんびりと休んではいられない。(笑)
話は初っ端からそれてしまった。
ベーリック・ホールであった。
休みが取れたならばどこか遠くへ行きたいと思っていたが、案の定そうはいかなかった。
まあ、例年のことである。
それで、横浜探訪の続きをアップする。
これで、少しは旅をしている気分になれるから不思議なものだ。
設計者はJ・H・モーガン。
「山手聖公会教会」を設計した人物である。
昭和5年(1930)竣工。木造2F建て、地下1F。
スパニッシュスタイルを踏襲した、見事な建物である。
その規模といい、洗練されたデザインといい、さすが本格派である。
高環境!高品質!
横浜きってのハイクオリティイーな歴史的建築物である。
3連アーチのポーティコは、モーガンお得意のモチーフのようである。
このほかに「旧新井邸」などにも採用されている。
屋根はスパニッシュ瓦で、外壁にはクワットフォレイルと呼ばれるイスラム風の小窓がアクセントになっている。
スタッコ調の外装材や、アーチのコーナータイルは明るい南欧調の雰囲気充分。
まあ、平たく言えば「金持ちの家」なのである。
内部の装飾が、これまた絶品である。
床は、白黒のチェッカータイルに、チューダーアーチの開口部。
パームルームには、獅子頭の付いた壁泉。
面白いデザインだが、金持ちはこれで一体なにをするのだろうか?
リビングルームには、大理石の暖炉。
その他、ブルー・グリーンの色調で固められた「令息寝室」などもあり、ブルジョワの面目躍如たる名建築である。
【所在地】 神奈川県横浜市中区山手72 グーグルマップ
華麗な外観
3連アーチのポーティコ
モザイクタイルを散りばめた暖炉壁面と煙突
獅子頭の壁泉
チューダーアーチの玄関
暖炉