Isidora’s Page
建築日誌
■ハリストス正教会復活聖堂2■    2007年01月07日

新年早々、フォトのプロフィール画像を変更した。
今までのが不評だったゆえ、心機一転!
とばかりに変えて見たのだが、これまた大不評!! (泣)
いっそのこと、現在の顔をUPして見ようかっ!
とも思ったが、そうなるとブログ大炎上は必至なので、さすがに理性が働いてしまいました。……(笑)
ここの画像は、変えずにそのまま残しておきます。(今のところ)

さて、元町カトリック教会に対抗するものと言えば、やはりこのハリストス正教会を措いてない。
前にも取り上げているが(夜景はこちら)、元町界隈の、いや、函館を代表する建物であるから、まあ、何度語っても話は尽きない。
(いや、いずれは必ず尽きますので、その辺の突っ込みはご容赦願います/笑)
元町カトリック教会がフランス系ゴシック建築の代表ならば、このハリストス正教会は、ロシア系ビザンチン擬洋風建築の嚆矢である。(笑)
(笑)とあるのは、本格ビザンチン様式ではないにもかかわらず、本格以上の出来栄えだからである。
御茶ノ水に、コンドル先生の手になる日本初の本格的ビザンチン様式のニコライ堂があるが、この建物はそれ以上のインパクトがある。
ねえ、 あるでしょう?(笑)
京都のハリストス正教会と比べてみても、そのデザイン力の秀逸さが一目でお分かりであろう。……

函館ハリストス正教会復活聖堂(通称ガンガンデラ)。
竣工は大正15年(1916)。
レンガ造平屋建て。
施工は尾林利吉。
設計は、正教会お抱えの素人建築士、河村伊蔵。(なんと、現代建築の巨匠、内井昭蔵のおじいちゃんなのである)


とにかく、その異様なフォルムに驚かされる。
小生の嫌いなたまねぎドーム(キューポラ)が大小6つも付いている。(いや、たまねぎが嫌いなだけで、たまねぎドームが嫌いなわけではありません、あしからず。/笑)
平面はいたって簡潔な計画ではあるが、それを穴埋めするかのように外観は実にデコレイティブである。
八角形のとがり屋根を持つ大鐘楼は、各辺をオジイアーチ(たまねぎアーチ)で飾られ、一層部分も三辺にこのアーチが付く。
聖所(聖堂)の側壁にも、丸窓と2連アーチ窓が組み合わさったオジーアーチのトレサリーで飾られている。
小生が幼少の頃は、この窓から煙突がにょっきり飛び出ていたのだが、さすがに観光地と化した昨今は、綺麗に取り払われてしまっている。(笑)
聖所の奥は至聖所と言って、半円の曲面壁が見事である。
それに伴って屋根も瓦棒の流線型。
このあたり、日本建築の唐破風の技術を応用したもので、匠みの技を感じさせられる。

建物全体は、真っ白な漆喰でお化粧されている。
下地は煉瓦であるから、この白い部分を剥ぎ取ると、なんと赤茶けた煉瓦色が現われるのだ。
日焼けしたお肌も、これで大丈夫。(笑)
ここから、女性用のファンデーションを思いついたという噂もある。←ウソ。
ちなみに観光客でにぎわうBAY函館も、所々に白い模様を残した煉瓦が見られる。
これは、あとからファンデーションが落ちたためです。(いや、落としたためです/笑)

内部を飾るイコンは、山下りんの作であることが分かっている。
山下りんは、信者にして日本で唯一の女性イコン画家である。
興味のあるお方はこちらを参照してください。↓
山下りん研究会
函館に来たなら、ぜひともイコンを見にお立ち寄りください。
小生もまた、イコン っと。
あれ?
どっかで使ったギャグだな。(笑)

ハリストス正教会復活聖堂 
ハリストス正教会復活聖堂・全景

ハリストス正教会復活聖堂
外観その1

ハリストス正教会復活聖堂
外観その2

ハリストス正教会復活聖堂
入り口

ハリストス正教会復活聖堂
背面その1

ハリストス正教会復活聖堂 
背面その2