Isidora’s Page
建築日誌
■横浜市開港記念会館■    2006年11月08日

横浜には、三つの塔があるという。
1.キングの塔 2.クイーンの塔 3.ジャックの塔。
キングの塔とは、見事なバカ帝冠様式を誇る神奈川県庁本庁舎のそれ。
クイーンの塔は、横浜税関庁舎のぬっぽりとしたエロティックな緑色のドーム。
そしてジャックの塔が、この横浜開港記念会館の時計塔なのだ。
三塔の中では、一番ナイス!
「他にはナイッス!」
なんてダジャレが、思わず飛び出すほど魅惑的なのである。(笑)

竣工は大正6年(1917)。
設計は福田重義(基本設計)、山田七五郎、佐藤四郎(実施設計)。
施工は清水組。
RC・煉瓦・鉄骨煉瓦造、地上1F、地下2F。

横浜開港50周年記念事業の一環として、公開コンペにて設計が行われた。
1等案を出したのが福田重義。
彼は日比谷公園の管理事務所を設計した人物。(うっぷ、うっぷと乳を飲む、ロムルス・レムス兄弟の作者ではありませんよ。/笑)
2等案は、かの清風亭を設計した西村好時。
3等案は、法曹会館などの藤村朗。
なんと審査員には、あの伊東忠太大先生様も参加している。(笑)

デザインはあからさまに辰野金吾のフリー・クラシックスタイル(辰野式)をパクっている。
赤レンガに白い花崗岩のボーダーを廻した独特のスタイルなのですぐにわかる。(笑)
並列する半円アーチや乱立するドーマー屋根など、全体的にはネオ・ルネサンスに倣っているが、時計塔の上の八角ドームはなんとまあ「浅草の十二階」である。
どうやら設計者は、辰野のコンドル先生譲りの異種混淆様式まで真似てしまったらしい。(笑)

そういえば、最近某漫画家と某ミュージシャンが、歌詞と台詞とをめぐってパクリ騒動を起こしている。
「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」
なるほどっ!
と、思わず拍手を送りたくなる名言ではあるが、よくよく考えると何を言っているのかよく分からない。(笑)
夢であれ時間であれ、始終裏切られっぱなしの宗男には全く何をかいわんやである。
それはさておき(すみません)、このデザイン、あからさまなパクリだとしても当の大先生からクレームが付いたという話は一切聞いていない。
さすが巨匠である!
豪傑である!!
太っ腹である!!!
そもそも様式建築なんていうものは、歴史的パクリのオンパレードそのもの。
大先生といえども、文句は言えないか。(笑)

横浜市開港記念会館 
横浜市開港記念会館・全景

横浜市開港記念会館
赤レンガに白い花崗岩のボーダーを廻した独特のスタイル

横浜市開港記念会館
並列する半円アーチ・乱立するドーマー屋根

横浜市開港記念会館
玄関見上げ

横浜市開港記念会館

横浜市開港記念会館 
時計塔・見上げ